食物栄養学科の教育方針
学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
食物栄養学科では、情報化社会における人間の行動に関する知識をもとに、傷病者に対する療養のための栄養指導、健康保持増進のための栄養カウンセリング、特定多数の人々に対応する給食経営管理等を行う管理栄養士を養成する。そのために、卒業時までに次の能力を養成した上で学士(人間科学)の学位を授与する方針である。
1.知識・理解
社会システムや人間の生活行動の幅広い理解のもとに、健康、栄養状態、食行動、食品、食環境などに関する情報を収集・分析し、これらを総合的に評価・判定できる。
2.汎用的技能
対象に応じたプログラムの作成・実施・評価ができ、なおかつ栄養、安全、経済、嗜好に配慮する総合的なマネジメント能力を身につけている。
管理栄養士に求められるプレゼンテーションおよびコミュニケーションの能力を身につけている。
3.態度・志向性
管理栄養士の役割を理解し、個人または集団に必要なマネジメント能力を身につけ、社会に貢献できる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
食物栄養学科では、管理栄養士学校指定規則に基づき、次の9領域を柱とする科目を準備し、学年進行に合わせて、各領域の知識や技能を講義・実験・実習により修得し、臨地実習により実践力を身につけられるようにカリキュラムを編成している。これらの教育課程編成・実施の方針は次のとおりである。
- 1.「社会・環境と健康」では、人の生(生きる)を衛る学問、すなわち公衆衛生学を学び、広い視野で健康をとらえるとともに科学的評価の方法を修得する。
- 2.「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」では、人体の構造や機能を系統的に理解すると同時に、主要疾患の成因、病態、診断、治療などを理解する。
- 3.「食べ物と健康」では、食品の各種成分を理解する。また、食品の生産から、加工・調理を経て、人に摂取されるまでの過程について学び、人体に対しての栄養面や安全面への影響や評価法を理解する。
- 4.「基礎栄養学」では、健康の保持・増進、疾病の予防・治療における栄養の役割を理解し、エネルギー、栄養素の代謝とその生理的意義を理解する。
- 5.「応用栄養学」では、各ライフステージにおける栄養状態や心身機能の特徴に応じた栄養管理の考え方を理解する。
- 6.「栄養教育論」では、健康、栄養状態、食行動、食環境等の判定・評価に基づき、栄養教育プログラムの作成・実施・評価を総合的にマネジメントする能力を養う。
- 7.「臨床栄養学」では、傷病者の病態や栄養状態の特徴に基づいて適切な栄養管理を行うために、栄養ケアプランの作成・実施・評価に関する総合的なマネジメントの考え方を理解し、具体的な栄養状態の評価・判定、栄養補給、栄養教育、食品と医薬品の相互作用について修得する。
- 8.「公衆栄養学」では、地域や職域等の健康・栄養問題とそれを取り巻く情報を収集・分析し、疾病予防や健康増進のための公衆栄養プログラムを計画・実施・評価する能力を養う。
- 9.「給食経営管理論」では、給食運営や関連の資源を総合的に判断し、栄養面・安全面・経済面全般のマネジメントを行う能力を養う。